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【起業本のレビュー】僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語

2022-02-22

こんにちは! MIYA(@miya38_freer)です。

この記事では、「僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語」(和田一郎著)を紹介します。「小さな起業」ではなく「本格的な起業」のお話、しかも2001年と随分昔の話ではありますが、今でも参考になる部分が多いと感じました٩( 'ω' )و

会社を辞めた時の和田一郎氏のスペック

和田一郎さんの退職時の年齢は42歳
百貨店に勤務し、和食器を担当。

家族は奥様とお嬢さん2人(中学生と高校生になりたて)。
住宅ローンあり
資金は退職金が1,000万円+貯金が100万円の計1,100万円

まだまだお子さんにお金がかかるだろうし、資金としてはいささか心許ない感じなのですが、それでも起業しよう!と思い立ち、奥様も同意したのは、労働環境が余程ひどかったのではないかと想定されます。

 

こんな起業、ダメ!絶対に!

起業に至るまでの部分は、読んでいてほんとハラハラするというか、それはないだろー!と思うような部分が多かったんですよね。以下、「こんな起業、ダメ!絶対に!」と感じた部分3つを挙げます。

事業が決まっていない

本の初めでまずぶっ飛んだのは、退職する時点で「起業すること」だけ決まっていて、事業が全く定まっていなかったこと。一応、心に決めていた事業はあったのだけど、退職前に周りからことごとくダメ出しされ、本人も「だよなー、これじゃ無理」と認めていたそうなんですね。

それでも、資金が潤沢にあれば「少し休んで、その期間に起業の準備」でもいいかもしれないけど、1,100万円なんて、ローンに育ち盛りの娘達がいたらあっという間に消えるやろ。

アンタ、よう退職したな (;゚д゚)

いきなりオフィスを借りて備品を揃える

これまた「は?」と思ったのが、退職前に駅近のオフィスを借りて、デスクやネット環境までしっかり整えていたんです、事業も定まっていないのに

一応、ネットを使ったビジネスをする予定だったそうですが、それでもいきなりオフィス借りちゃだめだろ!(ネットだったら家でもできんだろ!)

案の定、オフィスに行ってもやることがないのですぐに引き払ったそうですが。

「ない」お金を「ある」とみなす

ほんともう、いい加減にしろ!って思ったのが、「公的な融資」を受けられると思って、「融資」の金額も含めて計画を立てているんですよ。「500万円くらいは受けれンだろ(鼻ホジー)」と考えていたようで...。

ありもしない事業に、誰がお金を貸すかっつーの!!!ヽ(`Д´メ)ノ

 

和田一郎さんの、こんなところは学びたい

そんなこんなで紆余曲折がありつつも、最終的には「アンティーク・リサイクル着物のネット販売」で起業し、慌ただしい日々を送ることになったのでした。そんな波乱万丈な起業ストーリーの中でも、特に学びたいと思った3点を挙げます。

諦めない、粘り強さ

もし私が和田さんの立場だったら、思っていた事業がアカンとわかった時点で退職を引き伸ばすか、一旦別の職に就くかして作戦を練り直していたかと思います。

が、和田さんは決して後ろを振り返らず、事業の種を執念深く模索し続けました。もう失敗できない、後がないという緊張感がアンテナをより広く鋭くさせ、着物のネット販売の可能性に結びついたのでしょう。中途半端に生活が保障される状態でやっていたら、ここまでには至らなかったかもしれません。

どんな種も拾っていく覚悟

結局、最初の計画がボツになってあれこれと事業の種を探していくのですが、とにかくそのジャンルがバラバラなんですね。

・ネットでイベント関連のサービス提供
・釣り場・釣具店
・ジャズCDのバイヤー
・惣菜屋
・和食器
・エスニックショップ

自分が携わっていた仕事(和食器・イベント関連)や趣味(釣・ジャズ)はわかるのですが、惣菜屋やエスニックショップ、そして最終的に事業となったアンティーク・リサイクル着物は本人と強い関わりがないジャンルでした。

起業となるとどうしても自分の経験値で物を考え、勝手に限界や境界線を作ってしまいますが、和田さんにはどんな可能性でも受け入れる柔軟性があったからこそ、事業の種の発見につながったのではないかと思いました。

成功するための計算式

和田一郎さんが書かれていた「成功するための計算式」には納得しました。

当たり前のことではあるけれど、例え潤沢な資金があったとしてもいきなりそれを全額注ぎ込もうとせずに、小分けのトライアルを繰り返していくのが大事ですよね。成功の確率が半分だとしたら、トライアルの回数が増えれば増えるほど成功の可能性が増えることになります。

失敗すればそれは「二度とやらなくて良いもの」ということがわかりますよ。「二度とやらなくて良いこと」を増やしていけば、自ずと「やれば成功する可能性があるもの」の選択肢が狭まっていきますよね。

 

和田さんの事業は既になくなり、次の道へ

和田一郎さんが立ち上げたICHIROYAは現在どうなっているんだろう、と調べたところ、恐らくコロナの影響なのでしょうか、2020年7月に閉店していました。

・ICHIROYAのブログ

今はもう、新たな目標に向かって活動を始めていらっしゃるようです。一度、自分で人生の舵を切った人であれば、次の道も他人に任せず自分で切り拓いていくのが自然になりますよね。また何か新しい事業・サービスに繋がるような気がします。

 

まとめ|リアルな起業本、「僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語」

「僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語」は、スティーブ・ジョブスや三木谷浩史さんのような、凄い起業家のお話ではありません。

最初に書いたように「こんなの絶対真似したらダメだろう」ということや、「そんなの当たり前じゃん!」ってツッコミたくなるようなエピソードも満載。起業したらしたでお客様や競合に追い立てられる毎日、軌道に乗っても壁は次々と現れてなくならない。時には従業員とだって戦わなくてはならない。

全部リアルに、赤裸々に書かれているので、「そこまで背負って、本当に起業する?」と考えさせられる一冊です。

時代を経ても色褪せない熱さが詰まっています。起業を考えている人に、お勧めです٩( 'ω' )و

 

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